一途に釜めしだけを提供し続ける、不器用なまでの猪突猛進型。
桜通りの「釜めし」。いつか名物となる日がくるだろう。

志喜 / 信濃 良祐

府中市出身の36歳。よい素材を求めつつも、地産地消にも力を入れる。府中特産の「黒米」や南町の鶏卵などを使った、府中まち弁「けやき」も好評。さらに夏の人気メニュー「鮎」は、知る人ぞ知る「矢部養魚場」の鮎を使用と徹底している。

大好きな釜飯をたくさんの人に食べてもらいたい。

日本人は釜めしが好きだ。信濃はそう思っている。旬の素材を炊き込んで湯気ごといただく釜めしは、シンプルだが繊細な日本人の味覚によく合う。でも、「今日何食べたい?」と言った時、一体どのくらいの人が一番に「釜めし」を挙げるのだろう…。信濃は、ふと不安になる。
信濃自身は小学生の頃から釜めしが大好きだった。信濃家では「誕生日は外食」という習わしがあったが、いつでも「釜めし」をおねだりする渋い子供だった。そんな信濃が中学生の頃、忘れられない「釜めし」に出逢った。「鮎の釜めし」……蓋を開けた瞬間は、小さな鮎が二尾並んだだけの地味な見た目にがっかりしたが、米粒の芯まで鮎の旨味と香りが活きたその味に、最後のひと粒まで「美味しく」いただいた。
この出逢いが信濃の原点。味は勿論だが、一口目の感動そのままに食べ終えた「満足感」が今でも忘れられない。そんな釜めしを作りたいと思った。

具材とお米の一期一会。最適な組み合わせを求めて。

理想の形があるから、それに近づく為に努力する。だから一途になるのが自然。信濃は釜めし一本やりな自分を「普通の料理人とは違う気がする」と評するが、釜めしに対する情熱は本当に熱い。
食材選びは「炊き込んで美味しい」もの。お米はいくらこれが美味しいと思っても、季節によって水加減が変わる。四季を通じてその味が変わらないように試行錯誤、工夫する。食材も産地によって微妙に特徴が異なる。いくら有名な産地でも釜めしに合うかどうかは別。合わなければ使わない。探し、試す。この繰り返しだ。季節限定メニューだけでなく、定番メニューでも、採れる年によってまた異なるから、この作業はいつまでも続くことになる。
お店を始めたばかりの頃、1人で来ていた男性客が黙々と信濃の釜めしを食べて、ぽつりとひと言「旨かった」と帰って行った。その「ため息」のようなひと言が信濃の心に余韻を残し、じんわりと胸に染み込んだ。あぁ美味しいと、心が温まる故郷のような食べ物。それが釜めしなのだろうなと思えた。
その気持ちをもっと多くの人に届けたいと始めた宅配も、当然ながら作り方は店と同じ。炊きたてが届くように、湯気の一筋さえも逃さないように工夫している。桜通りのお店に来られない人や、時間がない人にも、かつて自分が感動した、味わった美味しさを感じてもらいたいと心を込める。わざわざこれ見よがしに「産地」や「こだわり」などとかは言わない彼が、米、出汁、具材、全てにおいて、徹底的に思いを込めたひと釜だから。

INFORMATION

志喜特製「松茸御膳」:1人前 2,800円

  • 長芋菊花百合根饅頭 しめじ餡かけ
  • きす南瓜挟み揚げ
  • 舞茸と銀鮭の天婦羅
  • 合鴨焼葱巻き 等
  • 紫芋胡麻団子・わらび餅

赤だし、お漬け物、お茶漬けだしのセットになります。

本格釜めし 志喜

東京都府中市府中町1-27-8
営業時間(店舗)/11:30~14:00(L.O.13:30)
17:30〜24:00(Food L.O.22:00・Drink L.O.23:00)
営業時間(宅配)/11:00〜13:30・17:00〜20:30
定休日/木曜
TEL.042-365-8900  HPはこちら

本格釜めし
志喜

東京都府中市府中町1-27-8
営業時間(店舗)/11:30~14:00(L.O.13:30)
17:30〜24:00(Food L.O.22:00・Drink L.O.23:00)
営業時間(宅配)/11:00〜13:30・17:00〜20:30
定休日/木曜

TEL.042-365-8900

HPはこちら